私が学生時代にとても仲良かった友達が、高円寺のアパートで一人暮らししていました。彼女自身もとっても可愛いんですが、それ以上にインテリアにこだわっていて、部屋が当時では珍しくアジアンテイストな部屋で、高価ではないけどセンスのいいアジアン雑貨がいくつか置いてあり、壁にはインドネシアに出張に行った父親が土産に買ってきてくれたという美しいな模様のクロスが飾ってあったりしたんです。私はよく遊びに行ってたのでいつも素敵な部屋だなと憧れたりしていました。

遊びに行くのはだいたい大学やバイトが終わってからの夜間だったのですが、ある日、ついつい話し込んじゃって終電を逃し、泊まっていくことになりました。夜中まで恋バナなどに花を咲かせ、目覚めたのは昼前。そこでちょっとした違和感を感じたんです。夜はあんなに素敵だった部屋が、日光が差し込む時間帯はなんだかくすんでる。

はっと気付いた私は、まだ寝ぼけ眼の友人を起こし、雑巾を出してもらってなんと窓の掃除を始めたんです!今思うと、仲がいいとはいえ、他人の家。急に掃除を始めるなんて、しかも窓拭きなんてやりだすなんておかしいですよね。でもあのときは、妙な使命感と行動力が私に備わってたんです。せっかく素敵な部屋なのに、夜見たら憧れるような部屋なのに、昼間見たらなんだかガッカリしたのが許せなかったんです。

掃除は徹底的にやりました。内側の窓ガラスを拭いたら、外側のガラスも拭きました。ベランダは問題ないのですが、問題は小窓です。アパートは3階だったので、身を乗り出して拭くのも限界がありますが、使い捨ての床拭き掃除器具(クイックルワイパーってやつです)を使って、外側のガラスも拭きました。またサッシも汚れてたので、歯ブラシと雑巾を使って磨き上げました。私が窓をきれいにしている間、彼女は部屋の掃除をしていましたが、きっとスイッチが入ったのでしょう。電灯の傘や、飾りっぱなしのクロスのホコリをはたいたりと、いつもやらないところを中心に掃除し始めました。「年末でもこんなにしないよー」って軽く愚痴りながらも、黙々と掃除をこなしました。

するとどうでしょう。窓から入ってくる光の量が明らかに多くなり、また光の色も変わりました。部屋の空気も今までより、澄んでいるように見えます。飾ってある雑貨類も、今まで以上にキラキラしています。

昼前に目が覚めて、掃除をはじめて終わったのが3時。クタクタになった二人は近くの喫茶店に食事に行き、その後解散しました。

 

「あのときのあんたは、なんかに取り憑かれてたよねー」
と、あれから十数年経った今も話のネタになります。でもあれから、彼女の部屋は常に窓がキレイに磨かれており、部屋の雰囲気も今まで以上に良くなりました。

その体験があるからこそ、私は部屋のインテリアを考える際や、人にアドバイスするときに何よりも大切なのは掃除をすることだということを伝えるようにしています。掃除をするだけで、何十万円もかけて購入した素敵なソファを置くよりも、よっぽど効果が高いような気がします。みなさんもぜひ、インテリアを考えると同時に、部屋の大掃除を始めてみてはいかがでしょうか?部屋だけでなく、心もきれいになりますよ。